【書評】やる気を手懐ける方法を学ぶ『勉強する気はなぜ起こらないのか』

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「やりたいことはたくさんあるけど、どうしてもやる気がわかない…」「自己啓発本を読んで目標を立ててみたけど、長続きしない…」こうした経験をしたことはないでしょうか?そんなやる気の悩みを抱える方にぜひ手に取ってほしいのが、外山 美樹著『勉強する気はなぜ起こらないのか』です。

本書は「やる気」の正体を解き明かし、コントロールできるようになる方法を示してくれます。

やる気はどこからわいてくるのか?

「やる気を出したいのに、全然わいてこない…」「昨日はやる気があったのに、今日は何もしたくない…」やる気は出てほしいときにわいてくれない、とらえどころのない存在のように思えます。ですがそもそも、やる気はどこからわいてくるものなのでしょうか?

本書では、やる気がそもそもどこからわいてくるのかという根本的な疑問に答えています。

なぜ目標を立てることがやる気につながるのか?

自己啓発本をみると、よく「「SMARTの法則1」に沿って目標を書き出して、いつまでに達成するかを決めて、日々の行動に落とし込んで、常に目標を意識して…」ということが語られています。しかし、そもそも目標設定をすることや目標を常に意識することがどうしてがやる気につながるのか、という疑問を感じたことはありませんか?

本書では、やる気をわかせ、維持する観点から目標設定の重要性を解説しています。自己啓発本のアドバイスを実践してみたけれど続かないという方にとって、本書の解説は大いに参考になるでしょう。

ネガティブ思考は絶対悪なのか?

自己啓発本ではよく「ネガティブ思考は悪、常にポジティブ思考でいることこそが重要」と言われます。しかし、果たしてそれは本当なのでしょうか?本書では、ポジティブ一辺倒であるべきという考え方に警鐘を鳴らしています。

無理にポジティブ思考になる必要はありません。ネガティブ思考も正しく扱うことで強力なやる気の原動力となることを、本書は教えてくれます。

まとめ

『勉強する気はなぜ起こらないのか』には、やる気をコントロールし、持続させるための方法が詰まっています。やる気をうまくコントロールできれば、やりたかったことにもっと自信を持って取り組めるはずです。

やる気に振り回されず、自分らしいペースでやりたいことに取り組めるようになりたい方は、ぜひ一度手に取ってみてください。

書籍情報

書籍名:『勉強する気はなぜ起こらないのか』
著者:外山 美樹
出版社:筑摩書房
発売日:2021/04/06

脚注

  1. 適切かつ明確な目標設定を行うための指標。「Specific(具体的である)」「Measurable(測定可能である)」「Achievable(達成可能である)」「Realistic(現実的である)/Relevant(より上位の目標に関連している)」「Time-bound(期限の設定がある)」の単語の頭文字をとって、そう呼ばれる。 ↩︎